消費者トラブルメール箱について

query_builder 2021/10/29
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 国民生活センターでは本年10月21日に、消費者トラブルメール箱についての周知を図るために公表を行いました。


<参考>

国民生活センター「あなたの情報が広告表示の改善等につながりました!!-「消費者トラブルメール箱」2020年度のまとめ-」(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211021_1.html

消費者トラブルメール箱

消費者トラブルメール箱とは


 消費者トラブルメール箱とは、消費者被害の実態をリアルタイムで把握するために、国民生活センターが情報提供の場として設けている仕組みです。


 例えば、こんなトラブルがあった!とか、納得いかない!などの実体験を募集しており、寄せられた情報を基に調査や分析を行っていると、国民生活センターが説明しています。


 詳しくはこちらの国民生活センターの「消費者トラブルメール箱」のページに飛ぶとよくわかります。このページでは、実際のトラブルに関する情報提供をするとともに、ページ下部には、新着情報として、最近の消費者被害の疑問などが、割と多い頻度で掲載されています。


 実際の消費者被害の情報を収集し、消費者被害を未然に防ぐという機能も期待できるでしょう。

2020年度に消費者トラブルメール箱に寄せられた情報


 実際に2020年度に寄せられた情報は、次に関連するものが主であるとされています。


  • 新型コロナウィルス感染症
  • インターネット通販
  • スマートフォン・光回線
  • 架空請求・不当請求
  • オンラインゲーム
  • 個人間取引
  • 会費請求
  • 賃貸住宅の退去


 このようなトラブルは、結構多いです。2020年(年度ではありませんが、)全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の件数は、93.4万件です。このうち架空請求については2020年度は3.4万件と減少傾向にありましたが、通信サービスなどは15.4万件とされています。

消費者庁「令和3年消費者白書」19頁(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/2021_whitepaper_all.pdf)より引用


 とにかく被害にあった情報を提供したいという方は、消費者トラブルメール箱に情報提供すると、のちのち別の方の被害を防ぐことができるかもしれません。

消費者トラブルメール箱に基づく追跡調査


 また、すべてというわけではないと思いますが、消費者トラブルメール箱に寄せられた情報を基に行った追跡調査の事案も公表されています。


  • 国産のりを使っているかのような原産国表示の韓国のり
  • 返金保証を受ける条件がわかりにくい広告サイト
  • 会員退会手続がわかりにくい携帯電話用壁紙サイト
  • 管理医療機器ではないのに体温計としての使用がうたわれた赤外線温度計測器
  • 「マンダイ」を「たい」として販売するペットフードの通販会社
  • 販売サイトに表示されている電池容量の記載が事実と異なるLEDクリップライト
  • 受取期間を過ぎた商品を廃棄処分する食材配送サービス業者

国民生活センター「あなたの情報が広告表示の改善等につながりました!!-「消費者トラブルメール箱」2020年度のまとめ-」(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211021_1.html)の「追跡調査を実施した主な事案」より引用


 特に広告などについては、一般消費者の通報は効果的です。わかりにくい、トラブルになるなどを通報することによって、悪質な業者に対する調査のきっかけとなることもあるでしょう。

まとめ

消費者トラブルメール箱の受診件数


 2020年度は12,081件と、前年の約1.2倍増加したとされています。1日当たりに換算すると、平均約33件だそうです。


前掲国民生活センター報道発表資料9頁(http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20211021_1.pdf)より引用


 ご覧のように、徐々に右肩上がりの傾向があると思います。これは、悪質な事業者に対する一定程度のけん制効果があるかもしれません。もっとも、通常の事業者にとっても広告をする際に注意することが求められるために、負担が増すかもしれません。

まとめ


 昨今では、一般消費者なら誰でも情報提供をするような仕組みが整えられています。


 国民生活センターのみならず、例えば金融庁や証券取引等監視委員会にも情報提供窓口がありますし、事業者などについても各自主規制団体や協会などが情報を受け付けています。


 悪質な事業者に対する一般国民の監視が強化されていると言い換えることもできるでしょう。


 他方、通常の事業者にとっては注意を求められ、それが精神的にも体制整備的にも負担となっている気もします。


 一定程度の予防を図るために、専門家に相談するのも良いかもしれません。

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