広告の諸規制について

query_builder 2022/01/18
ブログ
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 今月14日、一部報道機関から次のような報道がありました。


 すなわち「ターゲティング広告」を総務省が規制するというものです。これは、ネット利用者を保護するために行うものとされております。


 消費者庁がアフィリエイト広告の規制を検討していることは当事務所の過去のブログでもお伝えしたところですが、今度は総務省からターゲティング広告の規制があると聞いて、驚きました。


 報道からちょっとだけ本件について覗いてみようと思います。


<参考>

国民生活センター「ネット広告の表示を規制する法律」(2020年7月・弁護士長田敦著)https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202007_03.pdf

NHK「「ターゲティング広告」規制導入へ ネット利用者を保護 総務省」(2022年1月14日20時27分公表)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220114/k10013431421000.html

広告規制について

広告とは


 そもそも広告とは何でしょうか。


 実は法律上は、「広告とは●●をする行為をいう。」というような定義規定はありません。例えば金商法第37条1項は「金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業の内容について広告・・・をするときは、・・・、次に掲げる事項を表示しなければならない。」と書くのみであり「広告とはどのような行為か」ということは明記されていません。特定商取引法も同様です。


 「広告」の定義が問題となるとき、同時に「勧誘」の定義も問題となることが多いです。その理由としては、広告も勧誘も、事業者によって行われる商品やサービスの働きかけだからです。両方とも消費者の意思に影響を与えるのですが、「勧誘」に該当するとされた場合には、法規制は強いです。他方で、「広告」は比較的緩やかといえます。


 そうすると事業者としては、自分の商品やサービスを働きかける行為が「勧誘」ではなく「広告」に該当してほしいと思うのです。


 したがって、「広告とはどのような行為か」という点が、解釈の問題として争われることがあります。


 一般的には広告とは、「世間に広く知らせること」などといえます。通常のイメージとしては、電柱にチラシを貼るイメージでよいと思います。何がいい大家というと、自分からはお勧めせず、視界に入った消費者が電話をかけたくなるような表示によって、働きかける方法とイメージすればよいと思います。


 しかし広告の中にも、例えば非常に強い働きかけによって精神的不安を煽る広告も見受けられます。


 消費者保護をしたい側としては、これらも「勧誘」に該当することとして、なるべく消費者保護をしたいという思惑があります。


 この点について、裁判所の判断もあります。

広告?勧誘?裁判所の判断は


 最判平成29年1月24日民集第71巻1号1頁は、適格消費者団体(不特定多数の消費者の利益を擁護するための消費者団体をいいます。)と健康食品の小売業者との間で、新聞の折り込みチラシを配布する行為が「勧誘」に当たるか否かが争われた事件です。


 このとき「勧誘」に該当するとすれば、消費者契約法第4条1項1号に基づき契約の申込みなどが取り消すことができます。適格消費者団体としては、消費者保護のために、折り込みチラシは「勧誘」に該当するから同条に基づいて解約したいと思うところです。


 この点について裁判所は、消費者契約法にいう勧誘について、新聞広告により不特定多数に向けて行う働きかけは、それが個別の消費者の意思形成に直接影響を与えることもあり得る。


 そうすると事業者等が不特定多数の消費者に向けて働きかけを行う場合を「勧誘」に当たらないとして消費者契約法の適用対象から一律に除外することは、その趣旨目的に照らし相 当とはいい難い。


 したがって、事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても、そのことから直ちにその働きかけが「勧誘」に当たらないということはできないというべきである、としています。


 つまり新聞折り込みチラシは広告ともいえるし、勧誘といえないこともないという結論です。

広告?勧誘?裁判所の判断は


 最判平成29年1月24日民集第71巻1号1頁は、適格消費者団体(不特定多数の消費者の利益を擁護するための消費者団体をいいます。)と健康食品の小売業者との間で、新聞の折り込みチラシを配布する行為が「勧誘」に当たるか否かが争われた事件です。


 このとき「勧誘」に該当するとすれば、消費者契約法第4条1項1号に基づき契約の申込みなどが取り消すことができます。適格消費者団体としては、消費者保護のために、折り込みチラシは「勧誘」に該当するから同条に基づいて解約したいと思うところです。


 この点について裁判所は、消費者契約法にいう勧誘について、新聞広告により不特定多数に向けて行う働きかけは、それが個別の消費者の意思形成に直接影響を与えることもあり得る。


 そうすると事業者等が不特定多数の消費者に向けて働きかけを行う場合を「勧誘」に当たらないとして消費者契約法の適用対象から一律に除外することは、その趣旨目的に照らし相 当とはいい難い。


 したがって、事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても、そのことから直ちにその働きかけが「勧誘」に当たらないということはできないというべきである、としています。


 つまり新聞折り込みチラシは広告ともいえるし、勧誘といえないこともないという結論です。

ターゲティング広告規制


 上記広告に関する裁判所の判断は、法学会ではなかなか画期的であると評価されているようです。


 広告についてなんとなーく触れたところで、次はターゲティング広告の規制があります。


 総務省は、ターゲティング広告の利用者から「不快に感じる」とか「プライバシーの侵害」といった声もあり、また、ヨーロッパ連合など海外ではターゲティング広告を規制する動きがあることなども含めて、規制の方向に動いているそうです(前掲NHK)。


 ターゲティング広告は、インターネットで特定の商品を閲覧すると閲覧履歴が広告業者などに渡り、このデータから商品に関連する広告が繰り返し表示されるようになる仕組みです。


 総務省は、パブリックコメントの手続きを経て正式に報告書を取りまとめ、今月から開かれる通常国会に関連する法律の改正案を提出することにしているとのことです。


 今後の動きに注目です。

ターゲティング広告規制


 上記広告に関する裁判所の判断は、法学会ではなかなか画期的であると評価されているようです。


 広告についてなんとなーく触れたところで、次はターゲティング広告の規制があります。


 総務省は、ターゲティング広告の利用者から「不快に感じる」とか「プライバシーの侵害」といった声もあり、また、ヨーロッパ連合など海外ではターゲティング広告を規制する動きがあることなども含めて、規制の方向に動いているそうです(前掲NHK)。


 ターゲティング広告は、インターネットで特定の商品を閲覧すると閲覧履歴が広告業者などに渡り、このデータから商品に関連する広告が繰り返し表示されるようになる仕組みです。


 総務省は、パブリックコメントの手続きを経て正式に報告書を取りまとめ、今月から開かれる通常国会に関連する法律の改正案を提出することにしているとのことです。


 今後の動きに注目です。

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