パワハラ防止法について

query_builder 2022/01/21
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 本年4月1日から、パワハラ防止法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)。以下同じ。)が中小企業にも義務付けられます。


 より一層ハラスメント防止に注力していくことになります。そもそも、パワハラとはなんなのでしょうか?


<参考>

厚生労働省「あかるい職場応援団」https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/

パワハラ防止法

パワハラとは


 パワハラとは、職場で行われる、➀~③の要素全てを満たす行為をいいます(パワハラ防止法§30の2①)。


  1. 優越的な関係を背景とした言動
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  3. 労働者の就業環境が害されるもの


 よく問題となるのは、次の定義です。


  • 職場とは?
  • 労働者とは?
  • 優越的関係を背景とした言動とは?
  • 業務上必要かつ相当な範囲とは?
  • 就業環境が害されるとは?


 これらの相談先は、弁護士、労働基準監督署、労働組合などがありますが、いずれも早期相談が大事です。

職場とは


 職場とは、原則としていわゆる会社をいいますが、このほかにも、労働者が業務を遂行する場所も含まれる可能性があります。例えば、次のようなものです(前掲明るい職場応援団より)。


  • 勤務時間外の懇親の場
  • 社員寮や通勤中
  • 出張先
  • 取引先との打ち合わせの場所
  • 接待の席


 このように考えると、昨今定着しつつあるリモートワークにおいても、たとえ自宅で労働していたとしても「職場」に該当し、パワハラが問題となるでしょう。

労働者とは


 労働者とは、正規雇用労働者のみならず、次の者も含まれるとされています(前掲明るい職場応援団より)。


  • パートタイム労働者
  • 契約社員
  • 非正規雇用労働者
  • 派遣先事業主


 業務委託先である個人事業主などは、労働者には含まれないというのが一般的な法的考え方といえるでしょう(みらいコンサルティンググループ「相談室Q&A」社会保険労務士のコメント。外部ページへ飛びます。)。


 そうすると、業務委託先である個人事業主などは、法的救済がないのか?と疑問に思うかもしれませんが、それは違います。


 そのような場合には、不法行為が問題となりますので、損害賠償請求なども可能です。このことは、厚生労働省が次のように述べていることからも明らかでしょう。


事業主は、当該事業主が雇用する労働者が、他の労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)のみならず、個人事業主、インターンシップを行っている者等の労働者以外の者に対する言動についても必要な注意を払うよう配慮するとともに、事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)自らと労働者も、労働者以外の者に対する言動について必要な注意を払うよう努めることが望ましい。
厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して 雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)【令 和2年6月1日適用】」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf

 また、個人事業主などの相談先としては、過去のブログでも取り上げましたが、フリーランス110番(外部ページに飛びます。)がありますので、そちらを利用するのも良いと思います。

 

 おかしなことが起きたら、又は起きそうであれば、迷わず相談されることをお勧めします。

優越的関係を背景とした言動とは


 優越的関係を背景とした言動とは、基本的には上司から部下に対するというイメージでしょう。しかしながら昨今は、部下から上司に対するものも含まれるといわれたりしており、その適用は形式的ではありません。


 例えば、同僚・部下による言動で、その部下が業務上必要な知識や経験があるにもかかわらず協力しないなどが説明されています(前掲明るい職場応援団より)。


 したがって、自分が部下だからということのみを理由に、パワハラではないと判断するのは誤りです。


 そもそも他人と接するときは、不法に精神的苦痛を与えないよう最低限のマナーなどを持つべといえるでしょう。

業務上必要かつ相当な範囲とは


 実務上、この点が一番問題となるのではないでしょうか。これは一般に、「社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないもの」を指すとされています(前掲明るい職場応援団より)。


 このように曖昧な基準となる理由は、パワハラの手段は様々であり、抽象的にすることで柔軟に対応できるようにです。法によくある手法ですが、これが曖昧であるがゆえに、職場では円滑なコミュニケーションが滞っているケースもあるでしょう。


 どのような行為がパワハラになり得るのか?という疑問については、裁判例を見るとよいです。こちらのページがいいと思います。


 こちらは、前掲明るい職場応援団が用意しているページであり、そちらに飛びます。裁判例を14の切り口で複数検索できるため、疑問に思った箇所にチェックを入れ、検索をすると関連する裁判例の要約と弁護士のコメントが見れるという仕組みです。


 自分では常識と思っていたことも、実は法的には違うという結論もあったりするので、暇なときに目を通しておくと、トラブル予防になるでしょう。


 例えば、いくら労働者の態度が悪くても、暴言を吐いたりするのはダメというような判例もあります。

就業環境が害されるとは


 就業環境が害されるとは、「言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」を指すとしています(前掲明るい職場応援団より)。


 ただしこの点も、受け手側の個人差がありますから、裁判例を見て情報をまとめるとよいでしょう。

まとめ

そのほかのハラスメント


 パワハラのほかにも、セクハラ(男女雇用機会均等法§11①など)などもあるのはご存知のとおりです。


 いずれのハラスメントも、不法に相手に肉体的又は精神的苦痛を与えるという点で共通しているといえるでしょう。


 ハラスメント問題の予防には、相手方に対する敬意と尊重が何より大事だと思います。


 そして被害にあった、又は被害にあいそうだというときには、弁護士などの労働問題を専門として取り扱う専門家や機関に迷わず相談すべきです。


 人生苦痛はつきものだというのももっともですが、不法に苦痛を与えられる理由はありませんから、自身の環境が本当に適正であるかは、客観的な視点で見直してみるとよいと思います。

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