定期購入の事業者の負担が増します。

query_builder 2022/02/11
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 「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律」に関する法律が、本年6月1日から施行されます。


 ポイントは、各社カートシステムにおける「最終確認画面」において、顧客が注文確定の直前段階で、次の事項を簡単に最終確認できるように表示する必要があります。


  • 分量(定期購入の場合は、各回の分量も表示)
  • 販売価格・対価(定期購入の場合は、2回目以降の代金も表示)
  • 支払の時期・方法(定期購入の場合は、各回の請求時期も表示)
  • 引渡・提供時期(定期購入の場合は、次回分の発送時期等も表示)
  • 申込みの撤回、解除に関する事項
  • 申込期間


 例えばこれらを表示しなかったことによって、消費者が誤認して申込みをした場合には、取消権を行使できる場合があります。


<参考>

消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms202_220209_07.pdf

特定商取引法上の通信販売

自社は通信販売業者?


 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号により成立し、令和3年法律第72号による改正がされたもの。以下「特定商取引法」といいます。)第2条第2項には、通信販売の定義が記載されています。


 しかし特定商取引法の条文は極めて読みづらいので、ざっくりとまとめたいと思います。


 ざっくりまとめると通信販売とは、事業者が新聞・雑誌・インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のことをいいます(ただし、特定商取引法上の「電話勧誘販売」に該当するものを除きます)。


 これは個人でも、異なるところはなく、営利の意思を持って反復継続して取引を行うのであれば、特定商取引法上の通信販売業者に当たります。


 そうすると、現代では、インターネット上でも商売をしている会社のほとんどは、特定商取引法上の通信販売業者に当たることとなります(一部、特定商取引法第26条によって適用除外があります。)


 通信販売業者に当たると、特定商取引法の適用を受けることとなりますから、特定商取引法のルールを守る義務が生じます。


 ちなみになぜ特定商取引法が存在するかという点について述べると、行政庁が監督する方法としては、基本的には貸金業や宅建業のように、登録や許可制によるのが望ましいのですが、インターネットは誰でも使えるし、いちいち登録や許可制などにするのは現実的ではありません。


 そこで、「特定商取引法という法律でインターネット上で商売するやつをまとめて規制することにすればよくね?」という考えから成り立っていると言われています。


 そうすると何が起こるかというと、知識が備わっていない状態で商売をする事業者が増えるという問題が生じます。


 なぜなら、登録や許可を得るためには、そのための勉強や行政庁からの指導を受けたりするので、開業に当たって必要最低限の知識や禁止事項を学ぶ機会があるのですが、特定商取引は登録や許可がありませんから、そのような機会がないまま開業してしまう場合が散見されるからです。


 そして、一部の悪徳業者が消費者被害を発生させ、規制もどんどんと厳しくなり、結果的に特定商取引法は複雑怪奇になってしまうという悪循環になっています。


 その辺の規制業法よりも難しい箇所があるくらいです。

特定申込みとは


 「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、これが本年6月1日から施行されます。


 今回取り上げるのは、新たに特定商取引法第12条の6として導入された「特定申込みを受ける際の表示」です。


 今回の法改正では「特定申込み」という定義を新設し、主にサブスクリプション(定額料金を支払い利用するコンテンツやサービスのことだが、一部悪質業者によって初回無料・2回目以降は高額の請求をするなどの消費者被害が発生している。例えばニッポン消費者新聞「「解約できない」 サブスクリプションの苦情、月500件」https://www.jc-press.com/?p=7474)の規制を目的としているようです。


 特定申込みは、ざっくり言えば次の2種類の申込みが該当します。


  • 業者が定める様式の書面によって顧客が行う契約の申込み
  • 業者がインターネット上に表示する手続に従って顧客が行う契約の申込み


 そしてこれらについて、その最終確認をする場で、必要な事項を表示して消費者に確認をさせなければならないというものです。


 したがって、「広告に書いてあるからいいじゃないか!」という主張は、通用しないとされています(前掲消費者庁ガイドライン3頁)。

まとめ

まとめ


 実際のところ、悪徳ではない業者にとっては、システム上の修正等で負担があるかもしれませんが、表示の内容についてはあまり影響がないかもしれません。


 実際にネットショッピングをしても、すでにこのような方法を採っている事業者の方も少なくありません。


 残り4か月弱ですが、それまでに必要な対応をしておき、本年6月1日以降に発生する若干の見せしめ処分に備えておくのがよろしいかと思います。


消費者庁「貴社カートシステムでの改正法への対応について」を引用

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