4月1日から施行された主な法令
本年4月1日から、事業者に影響のある法律が数多く施行されました。今回は、それらの点について触れてみたいと思います。(すべてを網羅しているわけではありません。)
施行された法令
民法
ご存知、民法(明治29年法律第89号)が施行されました。これに伴って成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことは、公知の事実であります。
当ブログでも少し触れていますので、ご興味があればご覧ください。
育児介護休業法
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)も施行されました。
- 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
- 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
具体的には、①育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置、②妊娠・出産の申出をした労働者に対して事業者から個別の制度周知や休業の取得意向の確認のための措置を講ずることが義務付けられます。
また、有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」が廃止されます。
個人情報保護法
個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)が施行されました。これによって個人情報保護委員会が推奨している対策として、次のようなものがあります。
- 漏えい等報告・本人通知の手順の整備
- 外国の第三者提供の確認
- 安全管理措置の公表
- 保有個人データの棚卸(どんなものがあるか。)
- 開示請求等の準備
- 個人情報の不適正利用の有無の確認
- 個人関連情報の利用状況や提供先の確認
特に個人関連情報などの定義の新設もありましたので、対応が難しいのが今回の施行です。プライバシーポリシーの改訂のメールがバンバン来るのは、これが理由ですね。
パワハラ防止法(中小企業)
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)も施行されました。
これにより、中小企業はパワハラ防止措置を講ずる義務が生じます。
厚生労働省「2022年(令和4年)4月1日より、「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!」」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000855268.pdf)から引用
このようなことが発生しないように、特に法施行後は注意しながら対策を行いましょう。
年金手帳の廃止
年金手帳が廃止となり、基礎年金番号通知書が交付されます。
なお、これにより犯罪収益移転防止法施行規則上は、本人確認書類であった年金手帳が削除されていますが、この施行時期は、令和3年厚生労働省令第115号附則第6条第1項の規定に定めるところによるとされている点に注意が必要です(https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data3/20220331honbun.pdf)。
また、令和3年厚生労働省令第115号附則第6条第1項は、「この省令の施行の際現に交付されている国民年金手帳及び通知書は、当分の間、この省令による改正後の省令に規定する基礎年金番号を明らかにすることができる書類とみなす。」と定めているようです(https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/KOKUMINNENKINHOUSEKOU-REI20210630-115.html)。
まとめ
事業主に直接関係のある法施行が多い
本年4月1日からの法施行は、割と多くの事業者に直接関係するものが多かった印象を受けます。
成年年齢引き下げが特に大々的に報道されていましたが、その裏ではこのような、あるいはこのほかにも法施行がされておりますので、最新の情報に注意が必要です。
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