「、」と「,」どっちを使う?
「、」と「,」のどちらを使うのか?なぜ官公署の作成する書類は、「,」が多いのか?
これは、昭和26年に国語審議会が建議した「公用文作成の要領」が元になっていると言われています。
しかし、本年1月7日、文化庁から「公用文作成の考え方」について建議があり、政府内に周知し、活用を促すよう要請されています。
今回は、行政の文書から「,」がなくなる(もうすでにほとんどなかったですが)こととなりそうなので、ちょっと触れていきたいと思います。(割と好きだったんですけどカンマ。)
<参考>
文化庁「「公用文作成の考え方」について(建議)」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/93650001_01.html)
文化庁「公用文作成の考え方(建議)」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93651301_01.pdf)
公用文
公用文とは
公用文とは、前掲公用文作成の考え方2頁によれば、次のように分類されます。
大別 | 具体例 | 手段・媒体の例 |
法令 | 法律、政令、省令、規則 | 官報 |
告示、通知等 | 告示、訓令、通達、通知、公告、公示 | 官報、府省庁が発する文書 |
記録、公開資料等 | 議事録、会見録、統計資料、報道発表資料、白書 | 専門的な刊行物、府省庁による冊子、府省庁ウェブサイト |
解説、広報当 | 法令や政策等の解説、広報、案内、Q&A、質問等への回答 | 広報誌、パンフレット、府省庁ウェブサイト、同SNSアカウント |
これらの文書から、「,」が原則としてなくなります。ただし、「,」を使うこともできると記載があるので、これを使うこともできます。
公用文の表現の原則
数字を使い際の留意点
数字を使うときは、次の点に留意すべきとされています。
- 横書きでは、算用数字を使う。(例:令和2年11月26日、午後2時37分、080-6997-4805)
- 大きな数は、3桁ごとにコンマで区切る。(例:5,000、62,250円)
- 全角、半角は、文書内で使い分けを統一する。
- 概数は、漢数字を使う。(例:二十余人、数十人、四・五十人)
- 語を構成する数や常用漢字表の訓による数え方などは、漢数字を使う。(例:二者択一、一つ・二つ、一人・二人、六法全書、七五三)
- 縦書きする場合には、漢数字を使う。
- 算用数字を使う横書きでは、「〇か所」「〇か月」と書く(ただし、漢数字を用いる場合には「〇箇所」「〇箇月」と書く)。
符号を使う際の留意点
句読点等の使い方は、次の点に留意すべきとされています。
- 句点には「。」を、読点には「、」を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」を使っても良いが、一つの文書内でどちらかに統一する。
- 項目の細別と階層については、例えば次のような順序を用いる。
前掲公用文作成の考え方の4頁から引用
- 日本人の姓名をローマ字で示すときは、差し支えのない限り、「姓⇒名」の順に表記する。
用語の使い方
特に、「および」なの?「及び」なの?などは、次のとおり記載されています。
- 法令、公用文に特有の用語は適切に使用し、必要に応じて言い換える。
例:及び 並びに 又は 若しくは
- 「から」と「より」を使い分ける。
例:
「から」 = 起点と終点がある場合に用いることが多い。 東京から京都まで 午後1時から始める
「より」 = 比較に用いることが多い。 東京より京都の方が寒い 午前10時より午後1時の方が望ましい。
まとめ
まとめ
公用文作成の考え方によった文章であれば、概ね誤解されずに、相手方に物事を伝えることができます。
最近では、「および」などは、法令以外では適宜ひらがなを用いるケースが見受けられますし、ちょっと意識するとなかなか面白いかもしれません。
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