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query_builder 2022/06/17
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 ・・・という広告表示をご覧になったことがあると思います。これを「ナンバーワン表示」とか「比較広告」といいます(以下「ナンバーワン表示」といいます。)。


 消費者庁は本年6月15日、ナンバーワンではないのにナンバーワン表示を行った会社に対して、措置命令を行いました。


 ナンバーワン表示については公正であればまったく問題ありませんが、最近疑いの目が強く、例えばお金を払えばナンバーワン表示のロゴがもらえるなどの悪質業者も散見されることが指摘されており、問題視されています。


<参考>

消費者庁「株式会社PMKメディカルラボに対する景品表示法に基づく措置命令について」(https://www.caa.go.jp/notice/entry/029113/

消費者庁「比較広告」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/comparative_advertising/

消費者庁「比較広告に関する景品表示法上の考え方」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_37.pdf

一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会「非公正な「No.1 調査」への抗議状」(https://www.jmra-net.or.jp/rule/20220118.html

ナンバーワン表示

ナンバーワン表示とは?禁止されているの?


 ナンバーワン表示とは、「商品等について、他の競争事業者との比較において優良性・有利性を示すために「No.1」、「第1位」、 「トップ」、「日本一」などと表示するもの」をいいます(公正取引員会事務総局「No.1表示に関する実態調査報告書」1頁(https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/cyosa/cyosa-hyoji/h20/08061302_files/08061302-01-hontai.pdf))


 この表示と抵触する可能性がある法律は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」といいます。)第5条です。


 消費者庁は、ナンバーワン表示(文書内では比較広告ですが。)について、まず次のように述べています。


景品表示法第5条は、・・・、競争事業者のものよりも、著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される表示を不当表示として禁止しているが、競争事業者の商品との比較そのものについて禁止し、制限するものではない前掲消費者庁考え方1頁(1)ア参照


 考え方としては、次のように整理しなければなりません。


  • 比較そのものは禁止されていない
  • 比較する際に、一般消費者に誤認される表示が不当表示

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 これを逆転させて考えてしまう(つまり、比較そのものが禁止されていると考えてしまう)と、営業活動が大幅に制限されるので注意が必要です。


 したがって、ナンバーワン表示自体は禁止されてはいないという点を正確に理解しましょう。

なぜナンバーワン表示で措置命令が?


 今回、消費者庁が行った措置命令のポイントは、次の点でしょう。


  • 表示方法:満足度1位と言いながら、1位ではなかった
  • 責任問題:他社に調査を依頼したものの、調査結果を加工した(※)

(※朝日新聞DIGITAL「豊胸施術で「満足度1位」と広告 実は調査対象の4人に3人が男性」参照)


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 まず、1位ではないのに1位と言ってはいけません。これは、通常考えれば簡単に判断できると思います。


 次に、責任問題ですが、他社に調査を依頼したとして、「他社の調査結果だから!間違ってても責任はその調査した会社だからね!」といって責任を免れることはなかなか難しいです。

 なぜなら景品表示法上の事業者とは、他者と共同して積極的に表示の内容を決定した事業者のみならず、他者の表示内容に関する説明に基づいてその内容を定めた事業者や、他者にその決定を委ねた事業者も含まれると解されるからです(東京高裁判平成20年5月23日)


 では、どのようにすれば適正なナンバーワン表示といえるのでしょう?

適正なナンバーワン表示とは?3つのポイント


 適正なナンバーワン表示とは、次の方法を用いて、正々堂々と1位といえるものといってよいでしょう(前掲消費者庁考え方参照)


  • 客観的に実証されたデータを用いる。
  • その数値や事実を正確に、かつ、適正に引用する。
  • 比較の方法が公正である。


 このとき、調査機関が全くの第三者(例えば国公立の試験研究機関等の公的機関、中立的な立場での調査、研究を行う民間機関等)である場合には、その調査は客観的なものと考えられます。ただし、実証方法などが妥当であることが条件です(前掲消費者庁考え方3.(3)参照)


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 今回は、調査対象者が不適切だったと指摘されています。

まとめ

景品表示法は奥深い


 ナンバーワン表示については、日本マーケティング・リサーチ協会も抗議文を出す(前掲日本マーケティング・リサーチ協会)など、厳しい指摘が相次いでいます。


 そもそも景品表示法はかなり抽象的な条文であるため、その理解に苦しむ場面が多々ありますが、一般消費者の誤認防止という観点が重視されます。そのための手段として、誠実公正に表示してくださいねという話です。


 ただ、「表示したもの勝ち」という部分が排除されていないことも問題点だと思います。課徴金納付命令があるとしても、あまりこの処分が下ることはありませんから「やったもん勝ち」である感が否めません(確かスシローについても措置命令にとどまり、課徴金納付命令までは至ってなかったはずです。)。


 そうすると、表示して利益を得てしまえという欲から、不当表示に走ってしまうという人間心理もわからなくはないような気がします。


 根本的に不当なナンバーワン表示を減らすには、そうした制度作りも必要なのかもしれません。

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