そもそもコロナウィルスのワクチンってなんだろう

query_builder 2021/08/16
コロナ関連
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 コロナウィルスのワクチン接種が段々と進んできました。コロナウィルスのワクチンについては、様々な情報が錯綜しており、接種すべきか否かについて悩んでいる方もいらっしゃると思います。そこで、そもそもコロナウィルスワクチンって何だろうと疑問に思いましたので、川崎市にある信長行政書士事務所の行政書士として、整理しようと思います。


※8月20日の報道によりますと、予防接種法上の救済制度が初めて認定されました。なお、因果関係の証明はいずれにせよ極めて困難であることには注意が必要であり、必ず救済制度が認定されるとは限らないでしょう。

詳しくは当事務所お知らせ「コロナワクチン|初の救済認定」もご覧ください。


<参考>

厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/)閲覧日:2021年8月15日


日本のコロナウィルスワクチンについて

日本のコロナウィルスワクチンの種類と効果

 日本では現在、次のワクチンが、予防接種法が適用される対象となっています。


  • ファイザー社
  • 武田/モデルナ社
  • アストラゼネカ社


この3つのワクチンは、日本における薬事承認前に、海外の臨床試験が行われています。その結果、ファイザー社のワクチンでは約95%、武田/モデルナ社のワクチンでは約94%の発症予防効果が確認されています。なお、アストラゼネカ社のワクチンは、複数の臨床試験の併合解析の結果から、約70%等の発症予防効果が確認されていると公表されています。

 しかし、この臨床試験について厚生労働省のホームページでは、次のような指摘がされています。

重症化予防効果については、薬事承認前に行われた臨床試験では症例数が十分ではなく解釈に注意が必要ですが、実施された臨床試験や、承認後に実際に接種された人の情報を集めた研究等から、これらのワクチンの重症化予防効果を示唆する結果が報告されており、効果が期待されています。前掲厚生労働省ホームページより引用

特に、ワクチン接種を希望しない方々にとっては、「臨床試験では症例数が十分ではなく解釈に注意が必要です」という文言が気になるところだと思います。この点については確かに注意が必要です。一方、ワクチン接種開始後の高齢者の感染率をグラフで見たときに、これが明らかに減少していることからすると、ワクチン接種の効果が一定以上あるということは否定が難しいと考えられるでしょう。

(第54回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年7月15日)の添付ファイル「04 グラフ(新規陽性者数他)2頁より引用(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/279/54kai/20210715_04.pdf)閲覧日:2021年8月15日


前掲東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料3頁より引用

アストラゼネカ社のワクチン

 アストラゼネカ社には少し、ファイザー社と武田/モデルナ社とは異なる点があります。先ほど申しました通り、アストラゼネカ社のワクチンは、海外で実施された複数の臨床試験の併合解析の結果から、約70%等の発症予防効果が確認されています。法律専門職としては、「約70%」という書きぶりは気になるところであります。しかしこの点はいったん置いておきましょう。

 さて、アストラゼネカ社のワクチンは原則として40歳以上の方を対象としています。また、先日、当事務所のお知らせでも取り上げましたように、厚生労働省令が改正されています。詳しくはこちらをご覧ください。この改正により、いわゆる副反応として血栓症が加わっています。薬事日報「【予防接種・ワクチン分科会】40歳以上への接種を了承‐AZワクチンが選択肢に」によると、これは海外で報告されている副反応であり、血小板減少を伴う血栓症だそうです。

 以上までで、アストラゼネカ社のコロナウィルスワクチンをまとめました。

変異株のコロナウィルスにも効果があるのか

 一般に、ウィルスは常に一定の頻度でその遺伝情報に変異を起こすとされています。そして、変異株に対するワクチンの効果は、以下のように報告されています。まず、ワクチンを接種した人の血清を用いて、血清中に存在する抗体が、ウィルスの細胞への感染をどの程度妨げることができるかを測定する方法結果は、次のとおりです。


ファイザー社や武田/モデルナ社のワクチンにおいては、様々な変異スパイクタンパク質に対し、ワクチンを接種した人の血清中の抗体が中和活性を有するかが確認されました。その結果、B.1.351(ベータ株。南アフリカ共和国で最初に検出され、N501YやE484K等の変異を有する系統。)への中和作用が少し弱いものの、いずれの変異に対しても一定の中和活性があることが確認されています。また、5月25日付けのWHOの報告では、B.1.351(ベータ株)に加え、P.1(ガンマ株。ブラジルで最初に検出され、N501YやE484K等の変異を有する系統。)でも、中和活性はみられるものの、少し低下する旨の報告がありました。 前掲厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」より引用 閲覧日:2021年8月15日

次に、実際にワクチンを接種した人としていない人の感染や発祥の状況を調べる方法です。


例えばファイザー社のワクチンは、B.1.1.7(アルファ株。英国で最初に検出され、N501Y等の変異を有する系統。)ではワクチンの有効率に大きな低下は見られませんでした。B.1.351(ベータ株)やB.1.617.2(デルタ株。インドで最初に検出され、L452R等の変異を有する系統。)では、有効率が少し低下するものの、ワクチンは有効であったという報告もありました。 また、英国公衆衛生庁(PHE)が公表した、ファイザー社のワクチンを実際に接種した後の状況に基づく研究結果によると、発症予防効果に係るワクチン有効率は、B.1.1.7(アルファ株)で約94%、B.1.617.2(デルタ株)で約88%、また、デルタ株による入院を予防する効果は約96%と報告されています。
前掲厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A
」より引用 閲覧日:2021年8月15日

以上によれば、一定の効果が期待できることが示されています。ただし、注意書きとして、このような研究は、結果に偏りが生じやすいことから注意が必要であることが指摘されています。


アストラゼネカ社のワクチンについては、2回の接種が完了した被験者の血清を用いて様々な変異株に対する中和活性を測定したところ、B.1.351(ベータ株)に対する中和活性は、初期に流行したウイルス株に対する中和活性と比較して約9分の1に低下すると共に、一部の検体では中和活性が認められませんでした。また、B.1.351(ベータ株)に対するワクチン有効率が10.4%にまで低下することも確認されており、接種に当たって留意する必要があります。 一方で、英国公衆衛生庁(PHE)が公表した、実際に接種した後の状況に基づく研究結果によると、発症予防効果に係るワクチン有効率は、B.1.1.7(アルファ株)で約75%、B.1.617.2(デルタ株)で約67%、また、デルタ株による入院を予防する効果は約92%と報告されていることから、一定の防御効果を示す可能性があると考えられています。
前掲厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A
」より引用 閲覧日:2021年8月15日

アストラゼネカ社のワクチンについても、一定の防御効果を示す可能性があると考えられています。

 ただし、これらは注意書きも述べるように、結果に偏りが生じやすいことから、注意が必要でしょう。

コロナウィルスワクチンの副反応

 コロナウィルスワクチンを接種した後に認められた副反応としては、疲労、頭痛、筋肉痛、寒気、下痢、発熱等があるとされています。なお、これらは発症割合も示されています。

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前掲厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」より引用


また、アストラゼネカ社のワクチンではごくまれに血栓症が発症すると海外で報告がされていることは、先ほど申し上げました通りです。

 副反応による健康被害が生じた場合には、予防接種法による救済制度が用意されています。しかし、これはコロナウィルスワクチンを接種したことによって健康被害が生じたという因果関係の存在が必要ですから、その救済はかなり困難であるという点に注意が必要です。ワクチンによる健康被害が生じた場合の手続については、こちらのブログでまとめていますので、ぜひご一読ください。

 余談ですが、厚生労働省は次のように示しています。このことから、因果関係の必要性とその立証は極めて困難なことが明らかであると思います。

「ワクチンを接種した後に亡くなった」ということは、「ワクチンが原因で亡くなった」ということではありません。人はワクチンの接種とは関係なく突然命を落とすことがあるため、ワクチン接種後の死亡事例が出た時は、ワクチン接種との因果関係を調査することが大切です。
前掲厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A
」より引用

コロナウィルスの情報についてのまとめ

 こうして情報を整理してみると、コロナウィルスワクチンに対する正しい評価もできるのではないでしょうか。その上で、ワクチンを接種するしないというのは自由な意思に基づかなければならないというのが法律も求める建前だと考えています。

 しかし、実際にはワクチンの接種をめぐって差別的取り扱いが行われているとされ、造語として「ワクチンハラスメント」という言葉が作られるくらいです。これを受けて日本弁護士連合会は、新型コロナウイルス・ワクチン予防接種に係る人権・差別問題ホットラインを開設したほどです(現在は開設されていないように見受けられます)。これから先は、コロナウィルスに関連して労働者問題や労災問題、ワクチンパスポートなどを持っていなければサービスを受けられないなどということが起これば人権問題なども生じるといったように、この後も混乱が生じるおそれがあります。

 これを防ぐためには、弁護士などの法律専門家に事前に相談されることも、極めて重要だと思います。このほか、コロナウィルスに関しては助成金や補助金なども用意されており、これについては行政手続の専門家である行政書士にご相談ください。川崎市にある信長行政書士事務所の行政書士も、ご相談を受け付けております。

 以上までにコロナウィルスのワクチンに関する情報をまとめてみました。コロナウィルスはワクチンも含めて情報がまだまだ不確かな部分が多いです。最新の情報に注意しながら、当事務所のブログやお知らせでも随時取り上げていきたいと思います。

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