補助金について
※補助金の支給要件等は、随時変わります。
※ご自身で申請される方は、必ず当時の公募要領等の条件をよく読み、申請するようにしてください。
コロナウィルス感染症が流行している中、決して少なくない事業者の方々にその影響が及んでいます。
特に資金面に不安や課題を抱える事業者の方が多くいらっしゃると思われるところ、このために資金の調達が必要な場合があります。
資金の調達方法には、株式発行、融資(借入金)などのほかに、助成金や補助金などもあります。
そこで、今回は補助金とは何かという点と、昨今話題の小規模事業者持続化補助金を例に挙げてご紹介しようと思います。
<参考>
全国商工会連合会「令和2年度第3次補正予算 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」(https://www.jizokuka-post-corona.jp/)
補助金について
補助金とはそもそも何か
補助金の趣旨・目的を知ることは、補助金申請の経営・事業計画書を作成するに当たって重要です。
さて、補助金とはそもそも何なのかという点について述べると、概ね、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「補助金法」といいます。)に基づいています。
例えば小規模事業者持続化補助金は、その交付規程(令和4年1月17日改正のもの。クリックすると全国商工会連合会のページに飛びます。)第1条や第2条(2)で補助金法について触れています。
そこで、補助金法を見てみるとよさそうです。どんな法律なのでしょう。
(この法律の目的)
第一条 この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。
補助金法の目的は、整理すると、不正申請・不正使用の防止などのために次の基本的事項を規定しています。
- 交付申請
- 決定等に関する事項
そして、関係者の責務として、次の内容が規定されています。これは採択の決定の根幹にもなるでしょう。
(関係者の責務)
第三条 各省各庁の長は、その所掌の補助金等に係る予算の執行に当つては、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が法令及び予算で定めるところに従つて公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない。
2 補助事業者等及び間接補助事業者等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的又は間接補助金等の交付若しくは融通の目的に従つて誠実に補助事業等又は間接補助事業等を行うように努めなければならない。
補助金の財源は税金なので、それにふさわしく運用しましょうということが書かれています。
そうすると、これに適合した申請内容でないと、採択の可能性は少なくなる可能性があります。したがって、事業計画や経営計画などの申請内容は、可能な限り客観性を持った具体的な記載になるように努めると、法律の求めに適すると思われます。
補助金申請に必要な書類
例えば小規模事業者持続化補助金を例に挙げれば、その申請は要式に沿って提出する必要があります。
前掲全国商工会連合会「申請資料・様式」より引用
様式は、公募の都度、ダウンロードしてください。この手の公募は、不正申請との間でいたちごっこが行われるのが通例であり、そのために頻繁に改正されます。
したがって、「ちょっと前にダウンロードしたからいいや」と判断して確認を怠ると、様式不備で却下されるおそれがあります。
さて、小規模事業者持続化補助金の中で一番大変とされているのが、「【様式1】経営計画及び補助事業計画」です。どのように書いていけばいいのでしょうか。
経営計画及び補助事業計画
経営計画及び補助事業計画の審査の方法
経営計画及び補助事業計画を記載する際には、上記で述べた法律の趣旨を念頭に置く必要があります。
そうすると、なるべく具体的に内容を記載した方がいいと思われます。
前掲全国商工会連合会「【様式1】経営計画及び補助事業計画の記入サンプル」(更新日:2021/11/19)より引用
経営計画のサンプルは上図とされています。内容を見てみるとやはり数字を用いて具体的に記載されています。
ACCELPARTNERS「【事例あり】持続化補助金<一般型>採択率の上がる様式2の書き方を詳しく解説 一宮商工会議所 小規模事業者持続化補助金 一般形<経営計画><補助事業計画>記載例」(https://www.listing-partners.com/column/jizokuka_kakikata/)より引用
少し古いですが、一宮商工会議所の記載例では、上図が示されています。こちらは出典を行い、具体的数字を引用しながら説得的に文章を記載しています。(完成度の高さから、おそらく商工会議所が適切に指導を行ったものと思われます。)
このように補助金が適切に利用される可能性が高い提出資料の方が、採択されやすいと思われます。なぜなら前述のとおり、採択する方も、補助金が公正かつ効率的に使用されるように努めなければならないと法律も求めているからです。
申請内容の審査の方法
要件審査
審査の観点は、令和2年度第3次補正予算の小規模事業者持続化補助金では、公募要領(第15版:2022年1月17日のものであれば22頁以降)に従って要件審査と書面審査が行われます。
要件審査では、次の要件をすべて満たすものであるかが審査されます。なお、要件を満たさない場合には失格となり、書面審査は行われません。
- 補助対象者の要件に合致すること。
- 必要な提出書類がすべて提出されていること。
- 提出した内容に不備・記載漏れがないこと。
なお、補助対象者についても公募要領4頁以降に詳細に記載されています。
- 小規模事業者であること。
- 法人の場合には、資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと 。
- 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が 15億円を超えていないこと。
- 特定の補助事業を既に実施済みでないこと。
申請時に虚偽の内容を提出した事業者ではないこと。
反社会的勢力でないこと。
詳細は、公募要領を見るほかありませんが、概ねこんな感じです。これがすべて満たされて、次のステップである書面審査に移ります。
書面審査
書面審査では、提出された経営計画及び補助事業計画について、次の項目に基づいて有識者等が審査します。
- 補助事業を遂行する多面胃必要な能力を有すること。
- 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ当を基にした取り組みであること。
- 新型コロナウィルス感染症が事業活動に与える影響を乗り越えるため新たなビジネスやサービス・生産プロセス導入を行っていること。
- 新型コロナウイルス感染症に対して「新たなビジネスやサービス・生産プロセス導入が対人接触機会の減少に資する取組」となっていること。
- 自社の経営状況に関する分析の妥当性、経営方針・目標と今後のプランの適切性、補助事業 計画の有効性、積算の適切性を有する事業計画になっていること。
経営計画や事業計画は、これらの審査基準を充たす必要があります。
まとめ
専門機関に相談するのもよい
小規模事業者持続化補助金の経営計画や事業計画は、なかなか時間が取れなかったり、文章をどのように整理するかについて悩む場面も出てきます。
この点、経営計画や事業計画は、経営者自らが検討しなければなりませんが、公募要領によれば、次のとおり外部のアドバイスを受けること自体を否定してはいません。
本補助金事業は、小規模事業者自らが自社の経営を見つめ直し、経営計画及び補助事業計画を 作成した上で行う新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組を支援するものです。外部のアドバイスを受けること自体は問題ありませんが、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合、採択の対象となりませんのでご注意ください。公募要領1頁より引用
ただし、やはり丸投げすることもできないでしょう。
相談先としては、商工会議所などが挙げられています。商工会議所は特に小規模事業者持続化補助金について詳しいところがありますから、積極的に活用するとよいでしょう。
事業継続のために、補助金などを正しく使うのも、経営判断としては大事かもしれません。
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