【災害予防】被災地を見て

query_builder 2021/07/13
災害関係
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 押し寄せた津波によって街が壊滅状態となった3.11。実際に被災した方に、現地で案内してもらったときのことをお伝えしようと思います。災害が増加しつつある今日において、少しでも災害予防に役立てていただければ幸いです。

 ご案内人は当時、定年退職した後の消防の方で、防災について伝えるために活動をしている方でした。場所は、宮城県南三陸です。

消防士の声

逃げたら戻らないで

 お話をされている中で、一番印象に残り、また、本当に無念であったろうと感じたのは、避難後のお話でした。

 14時46分に地震が発生し、現地の方々の多くは高台に避難されたそうです。これは、正直意外でした。地震が起きて直ちに津波が襲ってきたわけではないそうです。実際に津波が襲ってきたのは、地震発生から約40~50分後の15時30分ごろだといいます。

 なるほど、それなら高台に避難する時間もあっていいじゃないかと思いましたが、この時間差こそが被害者を多くしてしまった、大変無念だと仰っていました。

 

 戻ってしまったそうです。その時間の間に。家に帰って様子を見に行ったり、お子様を迎えに行ったり。そして、とうとう避難場所には戻ってこなかった方が多くいらっしゃったと。

 だから、お伝えしたいのは、避難した後に帰ったり戻ったりするのは、時間が経って落ち着いてからで間に合うから、絶対に戻らないでほしいとのことでした。この点は、昨今多発している豪雨災害についても言えることかもしれません。

 泥のような地面に足がすくわれることもあり、安易に戻ろうとする行為は相当危険なことというのを認識した方がよいと仰っていました。

津波の高さは16m


3階建ての建物を超える高さでした。



これは、防災対策庁舎の跡地です。建物を遠方から撮影しましたが、これで高さが12m。津波はこれを余裕で超える高さだったそうです。



右側が海ですから、かなりの高さであったと想像できます。



近くで撮ったものです。威力は、言わずもがなでしょう。



水害は足をとられるから安易に動かない



 先ほども少し触れましたが、津波後にすぐに家に帰ったりすることは、やめた方がよいと仰ってました。なぜなら、浸水した水は泥水になっており、長靴と竹でできた杖のようなものがないと、とてもじゃないが歩けないとのことでした。なかには、これに足を取られて溺死される方もいたとのことです。

 おにぎりや水分を届けてあげたい。その気持ちも痛いほどわかるが、簡単に行けると思ってはいけない。だからこそ、非常食や非常用防寒具の用意が大事なんですと仰ってました。実際に高台のベンチの中に、非常食が50~60人分、現地では用意してあるそうです。

 これを考えたとき、地方公共団体などの協力も必要なんだなと改めて感じます。





正常性バイアス

正常性バイアスとは

 ところで、日本でも欧米でも、 災害の被害を避けるために避難指示や命令などが発令されても、避難する人びとの割合が50%を超えることはほとんどないという調査結果があるとされています。これは正常性バイアスによるものであるとされ、国土交通委員会専門員の言葉を借りると、次のように説明されます。


私たちの心は、ある範囲までの異常は、異常だと感じずに、正常の範囲内のものとして 処理するようになっている。このような心のメカニズムを「正常性バイアス」と言う。もともとは、私たちが過度に何かを恐れたり、不安にならないために働いているはずなのだが、災害時には、「まだ大丈夫」、「自分だけは大丈夫」、「今まで問題なかったから今回も大丈夫」という勝手な思い込みの元となり、避難が遅れる原因となるという。
林浩之著「災害時の心理学~正常性バイアス」(立法と調査 2019.9 №415(参議院常任委員会調査室・特別調査室)https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2019pdf/20190910002.pdf


これが実際に、災害時には結構厄介なものだそうです。お心当たりある方もいらっしゃるかもしれませんが、私は災害時はこの正常性バイアスと、つまり大丈夫だと思い込む自分自身と戦わなければならないと思います。いち早く避難する。これが、何より大事なんだと思います。

まとめ

 案内してくださった方からは、「人から話を聞くだけでは、残念ながら伝わりきらない部分もある。実際に足を運んでいかがだったか。16mとは数字だけでは大したことないが、実際に横に立ってみるとなんて高さかと驚かれたと思う。こうして、実際に足を運んで、他者の経験を自分で吸収して、備える。災害予防は、これしかないと思います。」とのお言葉がありました。

 実際に、本当に驚愕することばかりであり、被災者の方々の無念さは計り知れないだろうと感じました。また、実際に自分の周りの方々が被災しないようにはどうすればいいかを考えたときに、少しでも正確な情報を伝えることが大事だと感じます。

 また、行政書士として、やはりこういった場面において手続的な面で対応することができるように準備をしておかなければなりません。り災証明の申請などもその一部だと思います。

 川崎市にお住まいの方も、地震による被害があるかもしれません。非常食などの準備をして、避難後はすぐには戻らないことを家族間で約束し、何かあっても冷静に行動できるように備えましょう。

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